exhibition

007  合同企画グループ展「水の無いプール

2020/8/1(土) - 10/31(土)

【企画・参加作家】

駒嶺ちひろ

SoftRib

ミシオ

 

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この度、駒嶺ちひろ・SoftRib・ミシオによる企画グループ展「水の無いプール」を開催いたします。

 

 会場となる「おやすみ帝国」は、ミシオが自身の生活空間とギャラリーを両立するために運営を行っているスペースです。

 

この展覧会は、生活の中で触れる身近なものを素材に制作を行う作家3名によるグループ展です。

そして、それぞれに他者と共有することのできない現実感が大きく作品に関わっています。

 

 

駒嶺ちひろは、自身の他者への偏見によって生まれる人物像について、使い古されたキャラクターの

ぬいぐるみを実際の人体の形に変形させる「Shape of men」シリーズを制作しています。

人体をデフォルメすることで形作られてゆくキャラクターに対しさらにデフォルメを行うという

手法は、いわゆるリアリズムとは異なるアプローチにも関わらず、そこにはリアリズムと共通して描写というテーマが垣間見えます。

 

版画制作などを行うSoftRibは、結婚をするはずだった恋人の自死をきっかけに、その恋人との

子供の「ニップニップ」との生活を送ります。

「ニップニップ日記」はTwitter上で毎日更新されています。そこでは、他者とは違う現実で生きるという、ある意味で幽霊のような存在になることによって、生への活路を見出すという生と死の関係の

逆転が行われています。

 

ミシオは、カメラのファインダー内を別のカメラで撮影するスナップ写真「Viewfind」シリーズを

制作しています。

私たちは物体の連続で構成されている眺めを「風景」として認識していますが、「風景それ自体」を

肉眼で捉えることはできないとして、それを可視化する試みを行なっており、実際のその場の様子である"場景"と、記憶や脳内でのイメージなどの"情景"の二項の相違に着目しています。

 

 

他者と共有できず、主観的で個人的であるものごとが世の中で重要視されることはあまり

ありません。しかし本展ではその状況を逆手にとるように、それぞれの共有できない現実にたいしての

観察を行い、その輪郭のようなものが普遍的な現実を逆照射させることを望みます。

例えその行為が、水の無いプールを泳ぐことのように虚構に騙され続けることであったとしても。

 

                                                                                     

                              2020年8月 駒嶺ちひろ・SoftRib・ミシオ

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【参加作家略歴】

 

駒嶺ちひろ

1993年岩手県生まれ。山形県在住。2017年愛知県立芸術大学油画専攻卒業。2020年東北芸術工科大学大学院修士課程芸術総合領域修了。我々は他者の視線によってデフォルメされながら生きている。

駒嶺はデフォルメを手法とし、現代の人間像を描く方法を探っている。作品は主に既成のキャラクターぬいぐるみをそれぞれをそれぞれの世界観を背負ったものと仮定し、人の形にデフォルメする

「Shape of men」シリーズと、人をサイコロの形にデフォルメする「さいころ」シリーズを展開している。

 

[主な展覧会]

個展

2020 「ぬられた肖像」新宿眼科画廊(東京)

2020 「描かれた肖像」東北芸術工科大学(山形)

2019 「いつかどこかへ飛んでゆく」画廊跡地(東京)

 

グループ展

2020 「ルイジトコトナリ-類似と異なり」はじまりの美術館(福島)

2020 「『遊園地都市の進化-スクワット作戦会議 in 渋谷』内企画展『内見フロア』」RELABEL Shinsen

(東京)

 

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SoftRib

1991年、宮城県生まれ。現在は地元、石巻市中心で作家活動を行う。2014年、東北芸術工科大学

芸術学部美術科版画コース卒業。ペンによるドローイングや銅版画などさまざまな手法で作品を制作。

ほとんどの作品において生き物の骨を組み合わせ、新たな生物を作り、自身が考える新たな世界を

構築している。また、それらの造形物を生活空間に配置して写真に収めることにより、虚実を混在させ

独自の世界観と現実世界を結びつけている。

 

[主な展覧会]

個展

2020 「TRANSI」GALVANIZE gallery(宮城)

 

グループ展

2020 「ピュシス-ⅠⅩ 萌芽する版画家たち」養清堂画廊(東京)/羊画廊(新潟)/鹿嶋神社参集殿(福島)/

恵埜画廊(山形)

2019 「Reborn-Art Festival 2019」石巻市市街地エリア(宮城)

 

[主な受賞歴]

2015 「第6回山本鼎版画大賞展」入選

2013  日本版画協会「第81回版画展」入選

 

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ミシオ

1998年生まれ 京都府出身。2017年 京都の美術大学を中退。2018年 宮城県石巻市のアーティスト・

ラン・スペース「石巻のキワマリ荘」に移住。同スペース内にて生活とギャラリーを兼用する

「アーティスト・ラン・アンド・インハビット・スペース」として「おやすみ帝国」を運営中。

スナップ写真を題材に、記憶や想像といった"情景"と、実際にあるべくしてそこにある様子である

"場景"との相違から、実体のない「風景そのもの」を写すための試みとして、カメラのファインダー

内を別のカメラで撮影する「Viewfind」シリーズを制作している。

 

[主な展覧会]

個展

2019 「Viewfinder」おやすみ帝国(宮城)

2018 「展覧会(路上のゴミに顔を描く)」おやすみ帝国(宮城)

2018 「この星」おやすみ帝国(宮城)

 

グループ展

2020 「MOLE GALLERY『MOLE COLLECTION 2020』」Cyg art gallery(岩手)

2019 「Reborn-Art Festival 2019」石巻市市街地エリア(宮城)

 

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会期:2020.8.1(土) - 10.31(土)

オープン:金土日 11:00 - 18:00

会場:おやすみ帝国

宮城県石巻市中央2-4-3 石巻のキワマリ荘2F